「PHILIPPE WEISBECKER WORKS IN PROGRESS」が始まりました。

フィリップ・ワイズベッカー展「PHILIPPE WEISBECKER WORKS IN PROGRESS」が始まりました。

CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店併設のギャラリースペースには新作の数々を、店内では過去の作品や作品集、関連アイテムを展示販売しています。

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2つの会場を巡ることで、ワイズベッカーさんが歩んできたこれまでと、なお進化をし続けている最新の作品群をご堪能いただける大充実の内容となりました。すべての背景や魅力を語り尽くしたいところですが、こちらではその一部をご紹介します。

今回の作品展の告知ビジュアルにもなった、新作の飛行機シリーズ。

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蚤の市などで集めた昔の新聞や資料に記録されたレトロな機体の飛行機をモデルに、単葉機や複葉機、ヘリコプターや飛行船などが描かれています。頭部分・胴体・そして翼という飛行機の持つ要素がよりシンプルにデフォルメされた作品はどこか模型か紙飛行機のようで、ユーモアが感じられます。

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ワイズベッカーさんの作品は、土台となる紙も特徴の一つですが、こちらの飛行機のシリーズも例外ではありません。実はすべて古地図の裏に描かれており、よく見ると国境の線や国・街の名前が透けて確認できます。古い地図の上を優雅に飛ぶ飛行機。時と空間が額の中でぎゅっと不思議に凝縮されたような、ワイズベッカーさんらしい洒落が効いたシリーズです。

掛け物のシリーズも、ぜひ直接ご覧いただきたい新作の一つ。

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メインに据えられたドローイングはもちろん、地の紙に色を塗るところから、それらを貼り合わせ、帯や軸をかけるところまで、すべてご本人の手によって作られています。

アジアで発展した書や絵画の「掛け軸」に以前から興味をお持ちだったというワイズベッカーさん。紙の額に縁取られることで中の絵が際立ち、掛け軸そのものが周囲とは一線を画した独立した存在になるところに魅力を感じられたそう。すべて手作りされたのは、ワイズベッカーさんらしい慎ましさや素朴さを色や作りで表現するためです。

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掛け物の中心に置かれたのは、日常に溢れる Objet = モノたち。チリトリや磁石、クリップや化粧品の瓶など、ワイズベッカーさんが敬愛する日用品がシンプルな線で描かれています。「これは Meditation = 瞑想 のための作品」とコメントされていましたが、なるほどじっくり眺めていると、掛け物という日本人にとって親しみのある形も相まって、心が穏やかになってくるような気がします。

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そのほか近年制作された帽子やチョコレート型のシリーズも並びました。

掛け物のシリーズのように、新たな技術や表現方法を実験し取り入れることが、アーティストとして活動を続ける面白さと語るワイズベッカーさん。これまでにも、描く対象物や土台の素材、着彩方法や線の取り方など、様々なスタイルを辿ってきました。

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今回の作品展は、作品集「PHILIPPE WEISBECKER WORKS IN PROGRESS」(パイ インターナショナル刊)の発売を記念したもの。1997年以降に制作された700点以上もの作品を収録した、フルカラー・全568 ページの作品集は「この本は、私の20年間の作品制作の旅の回想録です。」と帯に抜粋されたインタビューにもあるように、これまでのワイズベッカーさんの創作活動の集大成と言えます。

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アートディレクションは、日本での初個展以来交流のある葛西薫さんが担当されました。ワイズベッカーさんが「CONSTRUCTION」「TOOLS」「DAILY LIFE」など全12章のカテゴリーを決定した以外は、全幅の信頼を置く葛西さんにほぼお任せしたそう。掲載する作品の選定からページやタイトルデザイン、中身や函の紙の種類まで、細部にまでこだわり美しく仕上げられた作品集は、それ自体がまるで一つの作品のようです。

各章の扉ではワイズベッカーさんご自身の文章で解説が入っているほか、これまでの人生を振り返ったインタビューや、パリのアトリエの様子も掲載。やさしく丁寧にまとめられた構成は、昔からのファンの方にとっては今やお目にかかれない貴重なラインナップが嬉しく、最近初めて知ったという方もじっくりとその作品や人柄を知ることができ、存分に魅力を楽しめる一冊となっています。

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作品集の一般発売は6月20日(水) ですが、本展では先行販売しています。会場では自由にページを捲り中身をご覧いただけるものも数冊ご用意していますので、ぜひお手に取ってご覧ください。また、これまでに発刊された作品集も取り揃え販売しています。

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店内スペースでは作品集の販売のほか、過去の作品も展示しました。独特なパースで捉えられた車や建物が壁一面に並んだ光景はなかなか見応えがあり、間近で、また少し離れたところからなど、色んな方法で鑑賞をお楽しみいただけます。

最新作と比べると、過去の作品の方が着彩されているものが多く、近年はモノクロの作品が増えていることがわかります。「色を控えることで、よりシンプルにモノの本質を描ける気がするから」と理由を語ってくださいました。

会期初日よりたくさんの方にお越しいただき、新作・過去の作品ともに既に多くが売約済みの状況です。作品購入を検討されている方はどうぞお早めにお越しください。

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また、今回はお買い求めいただきやすいポスターや、記念アイテムとして「G&S DO キャンバストートバッグ ワイズベッカー限定モデル」もご用意しました。

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ワイズベッカーさんにも日頃からご愛用いただいている、ドーオリジナルで定番人気の「G&S DO キャンバストートバッグ」。身長の高いワイズベッカーさんが斜め掛けしてちょうど良いように通常のタイプよりショルダーを30cm長く、欧州でも安心して使えるよう内側ポケットにファスナーをつけて。また描きおろしてくださった飛行機のイラストとショップ名をあしらい、限定モデルを作りました。ご本人も大変気に入ってくださり、来日中から早速ご愛用いただいていました。

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ワイズベッカーさんのこれまでの軌跡と、"WORKS IN PROGRESS" - 進化途中の過程を、作品展示と作品集の両方で存分にご堪能いただける貴重な機会です。モノを見るあたたかな眼差しや、モノの本質をゆっくりと鉛筆で描いたラインに触れた後は、見慣れた日常の風景も少し新鮮に映るような気がします。

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会期は7月1日(日) まで。見応えたっぷりの展示をご覧に、ぜひ何度でも足をお運びください。ご来場を心からお待ちしております。

(写真・文 CLASKA 広報 牛田実里)


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[会場]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店(CLASKA 2F)
[会期]2018年5月25日(金)~7月1日(日) 11:00~19:00

*作品集「PHILIPPE WEISBECKER WORKS IN PROGRESS」とバッグは、CLASKA ONLINE SHOP でもお買い求めいただけます。